映画【ジョーカー】の異常性が分からない私はサイコパス?感想交じりに思ったこと、倫理観の話。
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こんばんは、うしぞうです!
今回は2019年版映画『ジョーカー』の感想交じりに、個人的な倫理観を記してみたいと思います。
ぶっちゃけジョーカーが好き放題やってる今作の内容に感化されて?っていうか便乗して私見を述べるだけです。機会がなければ強気になれないチキンですみません(笑)この記事は
- 『ジョーカー』(2019)の感想&考察が気になる人
- サイコパスとは?この世界を窮屈に思ったことのある人
- 『ジョーカー』に似た作品を知りたい人
少し…こじらせてるかもな(笑)
『ジョーカー』あらすじ
1980年代、財政難に陥り、人々の心が荒むゴッサムシティ。
大道芸人のアーサー・フレックは、母ペニーの介護をしながら、自身もまた福祉センターでのカウンセリングを受けながら毎日を過ごしていた。
彼は発作的に笑い出すという病気を患っており、コメディアンを目指していたが、なかなか機会に恵まれずに報われない人生だった。
ある日アーサーは、大道芸人の同僚から護身用にと拳銃を借り受けるが、小児病棟での仕事中にそれを落としてしまったことが原因で会社を解雇される。
その帰り、アーサーは電車内で酔ったサラリーマンたちに暴行され、衝動的に彼らを拳銃で射殺してしまう。
しかし現場から逃走したアーサーは言い知れぬ高揚感に満たされてしまい…
参考:ジョーカー (映画) - Wikipedia
『ジョーカー』の見どころ、おすすめポイント
- 監督:トッド・フィリップス(脚本)
- 脚本:スコット・シルヴァー
- 製作:トッド・フィリップス、ブラッドリー・クーパー、エマ・ティリンガー・コスコフ
- 製作総指揮:マイケル・E・ウスラン、ウォルター・ハマダ、アーロン・L・ギルバート、ジョセフ・ガーナー、リチャード・バラッタ、ブルース・バーマン
- 出演者:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイ他
まずこの映画は、バットマンの宿敵にして悪のカリスマである『ジョーカー』の誕生について描かれた作品です。だから最近の映画に多いような
- 予測不能!
- 衝撃のラスト!!
- 〇〇も大絶賛!!!
のようによくあるキャッチコピーや前置きはなく、ただひたすらにジョーカーがやりたい放題、自分の好き勝手に犯罪を犯しまくる映画です。
そんなの面白いの?
『面白い』…とは言い難いな。
おすすめ度: | |
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個人的には鑑賞してよかったとは思っていますが、人には勧めづらい内容です。
そしてこんなこと言うとマジで私の道徳心が疑われそうですが…
私にはジョーカーの行動全てを『悪』なんて決めつけることはできないと思ってしまいました。
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正常?異常?サイコパス?『悪』の定義とは?
「自分が狂っているのか、世界が狂っているのか分からない」
「面白いかつまらないかの基準なんて、所詮は主観である」
これらは二つとも、作品内におけるジョーカーの主張です。
…
…
…
その通り。これぞ世界の本質です。
- 何を基準とした『普通』なのか
- 何が狂っていて、何が正常なのか
- 自分の『正しい』は所詮『主観』である
全員と合わせることが『普通』?それは逆に言えば、意見の合わない人間を仲間外れにするということだけどそれは正しいことなの?
「それはおかしい、間違っている、狂っている!」。では『正常』とはなんでしょう?あなたの正常は万国共通のものなの?意外と狂っている人も多いかもしれません。
「相手の気持ちを考えて!」…とは言うけれど、『自分』である限り相手の気持ちなど想像しているだけで絶対に分かり得ない。結局は主観でそう思っているだけです。
一般的に狂った行動は『犯罪』として扱われ、狂っている人や性格は『病気』とされてしまうこともあります。それがこの世界の在り方で『普通』のことなんです。
悪のカリスマ、ジョーカーは『サイコパス』なの?
『サイコパス』という言葉はご存知でしょうか?
精神病ではないが、正常との中間状態をいう。あるいは人格の正常からの変異、逸脱。ドイツの精神医学者であるK.シュナイダーは、人格の平均基準からの逸脱を異常人格と規定し、その中で『その人格の異常性のために自ら悩む、または社会が悩む』場合をサイコパスと呼んだ。
出典:サイコパスとは - コトバンク
サイコパスとは、簡単に言ってしまうと『反社会性の人種』のことです。
社会性とは、人々が平和に暮らすために法や秩序を守って正しく生きること。
つまり『正常』。そして『反』社会性ということは、法や秩序を守らない『異常者』ということになりますね。
『ヤバい奴=サイコパス』ってこと?
もちろん犯罪ばかり犯すジョーカーも、確実にサイコパスと呼べます。
ですが彼は彼なりに世界に対して疑問を持ち、自分の生きる道を見出した存在です。
だから極端な話、ジョーカー(サイコパス)の犯す犯罪を一概に否定してしまうのは、正常な私たちのエゴでもあります。
『サイコパス=ヤバい奴≠悪』ってことだな。
そんなジョーカー私たち一般人との決定的な違いは、自制心を持って秩序を守るか否か。
ジョーカーにはもう失うものがないということがまた、彼に自制をかけないという意味で大きな強みになっています。
みんなが心のどこかに秘めている思いや怒りを、当たり前のように発散してくれる悪のカリスマに心酔するファンが多いのも…どこか納得してしまいますね(笑)
ジョーカーが好きなら?おすすめの作品紹介♪
今作以前にも、ジョーカーは『バットマン』の宿敵として数々の名優たちが演じてきました。今回演じたホアキン・フェニックス以前のジョーカーにも要注目です。
高校教師が生徒たちに個人の価値観、倫理観についてを説き、『何が正しいのか?』ということについて深く考えさせられる漫画です。
『女神転生』シリーズは悪魔を育て、戦わせるRPGとして有名ですが、メインストーリーは善悪や秩序の派閥、世界の在り方についてなどを掘り下げる内容でもあります。
まとめ:映画【ジョーカー】の異常性が分からない私はサイコパス?感想交じりに思ったこと、倫理観の話。
そもそもジョーカーが模しているピエロだって、本来は子供たちを楽しませる道化の仮装であるはずが、この世界には『ピエロ恐怖症』なんて症状も存在しています。
『サイコパス=犯罪』などと結びつけてしまうと、有無を言わさず『悪、異常』と決めつけてしまう人は多いと思います。ですが
ピエロを見て笑えるか、怖がるか。
この場合の『正常』と『異常』を明確にできる人などいるんでしょうか?
『それ』に『何』を感じるかは一人ひとり、個人の自由ですからね…
『ジョーカー』は、面白いやつまらないという判断基準を超えた、非常に考えさせられるような名作でした♪
ありがとうございました!